大阪・京都でのカウンセリングと心理療法
カウンセリング・心理療法の種類
「カウンセリング」と言ったり「心理療法」と言ったり、呼び方が一定しませんが、辞書的な意味では、
カウンセリング:学業や生活、人間関係などで悩みや適応上の問題をもつ人に対して、心理学的な資料や経験に基づいて援助すること
精神療法(心理療法):催眠・暗示・精神分析などの心理的手段を使い、精神的な働きかけによって病気を治療しようとする方法 *精神科医が行うものを精神療法、臨床心理士が行うものを心理療法と呼ぶ
と書いてあります。カウンセリングという枠組みの中で、適宜心理療法が行われることが普通ですし、非指示的なカウンセリングのことを来談者中心療法と呼んだりと、日本ではきちんと分けて使われていないのが実情です。
「カウンセリング」という概念も含んだ心理療法ということで、次は各心理療法を簡単に紹介します。決して詳しくは紹介しませんが、心理療法は下手にクライエント(依頼者)が知ってしまうことで治療効果が薄くなってしまい、失敗につながりやすくなります。ご自分でインターネット等で調べることは自由ですが、本サイトに書いてあること以上のことを調べることは、治療効果を自分で薄めてしまう可能性もあることを認識しておきましょう。あまりマイナーな心理療法を行っているところには注意が必要かもしれません。
また、「自分にはA療法が合ってる!」と思って、その療法を受けることはクライエントの権利ではありますが、必ずしも素人判断で1つの療法に固執してしまうことは不利益につながりかねませんし、B療法が得意なセラピストにA療法をしてもらうよりも、得意なB療法をしてもらう方がうまくいくかもしれません。セラピストが困ることもありますし、あまりセラピストに対して限定的にオーダーすることはオススメいたしません。「どうしてもA療法が受けたい」「A療法でなきゃ嫌だ」という方は、A療法を専門としているセラピストを選ぶといいですが、できればあまりこだわらずに心理療法を受けてみましょう。
心理療法の種類<言語使用・最も代表的なもの>(上に述べたとおり簡単にのみ紹介します)
精神分析的療法
フロイトによる精神分析を元にした心理療法。自由連想法や夢分析によって無意識をとらえ、子どものころのトラウマなど意識上にはのぼらないものを解消させることで、現在に起きている心の問題をやわらげる。元々の精神分析は週4回の分析を20年間続けたりするなど、現実的に難しいものであるため、現在では精神分析的療法と呼ばれる。
ユング派心理療法(精神療法)
精神分析では過去に遡って心理治療を行おうとしたのに対し、ユング派の心理療法では未来を志向して心理療法を行う。ユングは無意識を個人的無意識と普遍的無意識に分け、普遍的無意識とは人類全体が共通に持っている無意識と考えた。そうした普遍的無意識を通じて、心理的分析や夢分析を行う。
認知行動療法
もともとは、実際の行動を治療対象とする行動療法と、認知の歪みを修正する認知療法だったが、その二つを合わせて、認知を変えることで行動を変容させることを目的とした認知行動療法が隆盛した。精神分析の批判として、治療効果を科学的に証明できることを重視している。短期間で、直接的に症状の緩和や除去を目的としているため、アメリカなどでは認知行動療法か短期療法が盛んに行われている。
来談者中心療法/クライエント中心療法
一般にもよく知られている受容・共感と純粋性を重要視し、傾聴を心がける心理療法。行動療法が症状を見て、その人自身を十分に見ていなかったことの批判として、クライエントの自己成長力を信じて受容することを重視している。精神分析が過去、ユング派が未来を志向していたのに対し、来談者中心療法では「今、ここで」と現在を志向する。
家族療法/短期療法/解決志向療法/ブリーフセラピー
新しい世代の心理療法。さまざまな概念を含んでおり、さまざまな呼ばれ方があり、厳密には異なるところもあるが、ここではまとめて紹介する。精神分析から認知行動療法・来談者中心療法などの流れを汲み、さまざまな心理療法の考え方を柔軟に取り入れ参考にするが、他の心理療法と決定的に異なることは、「問題を見て何が原因かを探る」のではなく、「どういう風になれば解決といえるか」を考える点。
心理療法の種類<非言語・子ども対象が多い>
遊戯療法
子どもは言語的な能力が不十分なことが多く、精神分析での自由連想法の適用が難しかったため、セラピストの受容的な雰囲気での遊びの中で心理的問題を発散・解消させる療法。遊戯療法にもアンナ・フロイトやメラニー・クライン、アクスラインなど研究者によって若干理論は異なる。
箱庭療法
遊戯療法の中で行われることも多いが、砂の入った箱庭の中に、家や人、動物や植物などのミニチュアを置いていくことで自己を表現し、心理的問題を発散・解消させる療法。大人にも適用可能である。
心理療法の種類<その他>
動作法:日本で考案された、身体動作の体験や筋弛緩を通して能動的になることを目指すもの。
催眠療法:人為的に変性意識状態にし、その中で問題の除去や精神の安定へ導くもの。
フォーカシング/体験過程療法:自分の中に感じる「イライラする感じ」や「もやもやする感じ」に焦点づけをし、その感覚と共存したり、適当な距離をおくことを身につける方法。
ゲシュタルト療法:「今、ここで」を重視し、実際に様々なイメージ体験などをしてみることによって症状の緩和などを目指す療法。
イメージ療法:壷イメージ療法や三角イメージ療法などがあり、何らかのイメージ体験を媒介とすることで、治療を促す方法。
自律訓練法:自分の身体感覚を使い、緊張させたり弛緩させたりすることで精神生理学的に楽にする方法。
社会技能訓練(SST):社会技能(ソーシャルスキル)と呼ばれる、社会でうまくやっていくためのスキルを身につけるための訓練法。
集団療法:エンカウンターグループをはじめとした、集団で行う様々な心理療法の総称。
交流分析:精神分析は難解であるため、わかりやすく短時間で簡略化した精神分析の簡易版。実際の対人行動の様式を分析することで、対人関係についての理解を促す。
内観療法:吉本伊信による心理療法。宗教的難行「見調べ」を発展させ、重要人物に対する内観(お世話になったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと)を行い、治療を促す。
森田療法:森田正馬による心理療法。食事・睡眠や作業することなどを通して、あるがままの自分を受け入れ、社会復帰を目指す心理療法。
ナラティブセラピー:クライエント自身のもつストーリー(生き方)をより柔軟なものへと書き換え、ストーリーを再構築していく心理療法。
心理劇:劇の中で、普段の自分と違う「自分」を演じることにより、客観的に自分を見たり新しい体験をすることで治療を促す。
心理療法の種類<その他代替療法:心理療法の補助として>
音楽療法:音楽を通して真理的問題の解消を目指すもの。
芸術療法:造型や絵画など芸術活動を通して、心理的問題の解消を目指すもの。
コラージュ療法:新聞や雑誌の切抜きなどを使い、コラージュで自分を表現することで心理的問題の解消を目指すもの。
アロマテラピー・アロマセラピー:アロマ(香料)による精神的安定を目指すもの。
アニマルセラピー:動物とのふれ合いによって心理的問題の解消を目指すもの。
スポーツ療法/運動療法:スポーツを行うことを通して心理的問題の解消を目指すもの。